優美な灯が生まれる理由

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大正3年の創業以来、滋賀県今津市の地にて和ろうそく作りを続けている大與(だいよ)。大與の和ろうそくは昭和59年に滋賀県の伝統工芸品として指定され、2010年には大本山永平寺御用達に命じられました。

ここでは主に、ウルシ科の櫨(はぜ)の実から採る「櫨蝋」を使用した櫨ろうそくと、米の糠(ぬか)からとる「糠蝋」を使用した糠ろうそく作りを行っています。なかでも櫨蝋は特に優れているとされ、ゆったりと燃えるオレンジ色の炎は、不思議と気持ちを落ち着かせてくれるのです。いま世に出回っている和ろうそくの90%は純正の櫨蝋でないと言われており、大興の和ろうそくと比べてみると一目両全。その上品な燃え方は、櫨蝋100%で作られたろうそくだけがもつ美しさだと言えるでしょう。

そんな櫨蝋は、櫨の実の全量から約20%以下しか採取できないうえ、高い木に成っているため危険を伴います。加えて、ウルシ科の植物であるがゆえかぶれてしまうことも多く、とても貴重な素材となっているのです。

4代目である大西巧氏は、和ろうそく職人の条件として"手掛けができること"であると、語っています。和ろうそくの製造方法には大きく分けて「手掛け」と「成型」があり、「手掛け」とは灯芯を蝋で幾重にも重ねて太くしていくこと、「成型」は型に蝋を流し込み成型する手法のことをいいます。「手掛け」は手で蝋を重ね、形作っていかなければならないため、職人としての確かな技術力が必要とされるのです。

大興の和ろうそくの炎の美しさは、素材の良さだけにあるのではないでしょう。受け継がれてきた伝統を守り、丹精込めて丁寧に作られたものだからこそ、唯一無二の温かく優雅な灯が生まれているのです。


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  • 2011.08.30
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