0093r004_10.jpg立春も過ぎて、西から少しずつ梅の開花の知らせも聞こえてきますが、まだまだ寒い2月ですね。 そんな時は美味しいお鍋と一緒に温かい熱燗はいかがでしょうか。 体を芯からあたためてくれる、寒い季節ならではのお楽しみ。 いつもとひと味ちがう日本酒の美味しさも味わえて、心もあったかなゆったりとした時間が過ごせるのが燗酒です。 

みなさま、熱燗のおいしい飲み方は知っていらっしゃいますか?
電子レンジでお燗をつくる、瓶燗でドボンと瓶のままお湯につけるなどの方法がありますが、熱くなりすぎてしまったりすることがありますよね。ムラなく美味しくするには、湯煎をする要領でお湯に徳利をつけて温めるのがいちばんです。
鍋で湯を沸かして、火を消してから徳利をそのまま浸します。冷蔵保存されていたお酒なら、水からつけて徐々に温めていくのも手です。このとき気をつけたいのは決して水を沸騰させないこと。そして温まりすぎを防ぐため、こまめにみていてください。冷酒と異なりお燗はお酒がまわりやすく、でもそれがカラダに優しい飲み方なんだそうです。
 
 
0093r004_01.jpg
 
おいしい熱燗をいただくのにうってつけの酒器があります。
伝統工芸に認定された受継がれた技で、お酒を美味しくする「かたらい」という名の錫器です。
これは錫を轆轤で削って加工をする唯一の工房、「大阪錫器」の錫を使ってつくられたうつわ。 
錫は昔から熱伝導率の良く、味がまろやかになると言われています。 イオン効果が高く水を浄化し雑味をなくしてくれる錫は、お酒をまろやかにしてくれる特徴があります。
 
 
osaka_1.jpg
osaka_3n.jpg
日本に錫器が伝わったのは、今から約1300年前と言われています。
聖武天皇を亡くして悲しみにくれていた光明皇后が、偉大な天皇の愛用の品を納めた、奈良の正倉院方物にも錫製薬壷・水瓶などが保存されていたと伝えられています。
錫器は古い書物などで、江戸初期に京都を中心に製作されていた事が確認されており、だんだん一般にも普及していきました。茶筒、急須、徳利がそれにあたります。
 
大阪浪華錫器の歴史は、江戸中期には、心斎橋・天神橋・天王寺など流通の良い地で生産され、やがて産地から産業へと拡大されました。
「大阪錫器」は、伝統工芸士の今井達昌氏を代表とし、国家資格を持つ3名の伝統工芸士と社員によって、 そのモノづくりの技と精神は今も引き継がれています。
 
 
osaka_2n.jpg
 
錫器は鋳造によって作られます。原料である錫を溶かし、液体になった錫(鋳造では湯と呼ぶ)を型に流し込んで必要な形に作り変えていきます。
商品ごとに多くの型があり、鋳造で作った形をろくろを使って形を整えます。厚い塊から専用の刃物を使って削りだすことにより、精度の高い商品を作り出し、このろくろの技術の工程によって、昭和58年、伝統的工芸品に認定されています。
 
DSC03354.JPG
 
0093r004_m_3.jpg
0093r004_01.jpg
 
大阪錫器の錫の純度は97パーセント。純度が高いことにより轆轤で削ることが可能なのです。錫を贅沢に使用した厚みのある飲み口は口当たりもよく、このかたらいセットのチロリは2合弱(300ml)が入ります。 曲がりやすく丈夫な素材である籐を使い、熱くなる錫も持ちやすく巻いてあるのも手仕事ならでは。
 
 
熱伝導率の高い錫のとっくりによって希望の温度に仕上げることができるので、50度前後の上燗やちょっと温度を下げたぬる燗、人肌燗など、様々な燗酒を楽しむことができます。
一般的に、旨味や酸味が多く、味のしっかりしたお酒が燗して美味しいとされていますが、シャープで淡麗なタイプの日本酒は人肌燗やぬる燗程度で楽しむのがおすすめなんだそうです。
季節の移ろいを楽しむ、心温まる美味しい一杯。是非こだわりの酒器で楽しみたいですね。