nishida1.jpg

原料栽培から一貫して行う、石州和紙 ー
島根県にある、石州和紙の西田和紙工房さんへお伺いしてきました。

「石州和紙」は伝統工芸品に指定され、中でも「石州半紙」は重要無形文化財にも指定されています。
石州和紙は、地元で取れる楮や三椏を和紙の素材としていますが、西田和紙工房さんでは、原料の栽培から一貫して工房で製品づくりをしています。
刈り取った原料をせいろ蒸しにし、原木から剥ぎ取った表皮を乾燥させます。
その後、大きな煮釜で煮るなど、多くの行程を経た紙料とトロロアオイ(繊維と繊維をつなぎ止める役目をします)を漉き舟の水の中に混ぜ合わせ、ようやく紙漉きの行程に移ります。
nishida3.jpg
 
この道一本の職人だからこそなせる技。 
体全体で感じることのできる、紙の重み ー
漉き舟の中で、リズムよく簀(紙を漉く道具)を動かし、あっという間に和紙が浮かび上がってくる様子はとても圧巻。
最初はうっすらと、何度か水をすくい上げていくうちに、紙の繊維が絡み合い和紙の層が出来上がってゆき、これを繰り返すことで和紙の厚みが変わってきます。
驚くことに、職人さんはこの和紙の厚み(重さ)を、体で感じることができるそう。
紙の漉き初めや漉き終わり、季節や湿度によってその都度変わってくるそうですが、その変化さえも身体に染み込み、しっかりと発注通りの紙の厚さに仕上げる事ができるそうです。
これは、昔から長年携わってきた職人にしかできないと語る西田さん。
紙を漉く事はできるようになっても、今の時代では情報やものが多すぎるため、ずっと紙漉きをやっていても、そこまで感覚が研ぎすまされないのではないか、とおっしゃっていました。
両手いっぱいのサイズの紙で、その誤差はわずか3g以内。
紙を漉くだけではなく、それを瞬時に判断する技は、まさに熟練の職人にしかなせぬ技です。
nishida2.jpg