本日は、享保3年創業、刷毛ブラシの製造販売を行う江戸屋へ行って来ました。
東京都の伝統工芸品「江戸刷毛」。江戸刷毛は7種類の刷毛とその技法が東京都伝統工芸品として指定されています。
ふすまや掛け軸を作る際に使用する経師刷毛や絵の具を木版に塗るための木版刷毛。人形刷毛や漆刷毛、友禅や更紗などに使用される染色刷毛、歌舞伎役者さんのお化粧に使われる白粉刷毛、塗装刷毛などがあります。
 
毛先にいのちを求めて、江戸職人の心と技法を今に受け継ぐ江戸屋。創業280余年の老舗、江戸屋は東京、小伝馬町駅から5分ほどの場所に位置します。路地へ入り江戸屋をみつけると、なかなか観られない素敵なモルタル塗りの外壁を発見。江戸屋の建物は、なんと有形文化財として登録されている建造物。専門家達からは看板建築と言われるものだそうで、到着した瞬間にレトロな世界観に魅了されました。
江戸屋は3000種類もの刷毛とブラシを販売しています。用途に合わせて原料を選び抜いた最高の仕上がりの刷毛・ブラシは、どれも美しく作品とも言えるような工夫されたものばかり。あまりの仕上がりの美しさにすかさず手にとってしまう品々が店内一面に並んでいます。
 
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刷毛の製造工程は、まず天然の毛を仕分けし、くせを直すために煮沸。
乾燥後、用途を考えて毛質、長さ、太さなど調節をする毛組みを行います。刷毛のコシを考え、刷毛の毛組みが調整され組み合わせられます。
刷毛のコシは、中に短い毛を中心にするなどの微妙なバランスによって成り立つのだそうです。その後、油分除去や寸切等をしたのちに玉付きし木工でとじられて仕上げられます。
 
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用途は工業用品であったり、芸術の道具であったり調理業務に使われるものが中心。ひとつひとつ職方さんによってつくられる刷毛は、細やかな作りで驚くばかり。お話を聞いて、仕事道具として選ばれる、かけがえなき道具の存在感の大きさをとても感じました。
刷毛専門の卸しと刷毛の製造を行う江戸屋。江戸屋の代表、濱田さんは職方さんへの養成までも担っています。理由は「卸しをしていても値切ったりは出来るだけしないで、受継がれる”江戸刷毛”の質部分をしっかり伝えていきたい。そしてお客様のことを伝えることも必要だから」と。様々な私たちの質問に丁寧に回答くださる濱田さんの刷毛談義は、想像を越える発見ばかりです。
 
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新日本橋(大伝馬町)にある江戸屋の前の通りは、旧奥州街道。江戸時代に整備された五街道のひとつ奥州街道は、両脇に大店が軒を連ねた繁華街であったそうで、江戸屋の店先には、安藤広重(歌川広重)の美しい絵が飾られています。旧奥州街道に町人が行き交った賑やかな一枚です。この絵をみても今に残る銘店であり、ていねいに暮らす、生活の愉しみを感じさせてくれる道具たちだなと感じます。

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握って触っただけでも使いやすそうなブラシは、タイル用ブラシから馬毛の歯ブラシ、おろし金ブラシなど日用として使える道具も沢山。
専門道具屋らしさ満点の雰囲気も味わっていただきたく是非、皆様にも行っていただきたい!そんな魅力ばかりの江戸屋でした。