職人インタビュー vol.9

甲斐暢夫 氏(甲斐のぶお工房)

 

大分県湯布院の山間で、大分県産の孟宗竹(モウソウチク)や、島根県産のミズメ材などの竹や木を用いてカトラリーを製作している甲斐のぶお工房。

竹製品というと少しクールなイメージを持つ方も少なくないだろう。しかし、甲斐のぶお工房が生み出す竹製のカトラリーは、自然素材の温かみをそのまま表現したようなプロダクトが多い。

素材やデザイン、使い心地全てにこだわり、温もりのあるカトラリーを生み出している甲斐暢夫氏に話を聞いた。

 

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温もりのあるやさしいデザイン

「子ども向けに作る時には、デザインもそうですが仕上がりもやさしいものをイメージしています。フォークはどうしても先が尖ってしまいますので、危険性を感じさせないようにみえるデザインを心がけています。素材ごとに持つイメージも変わってくるので、デザインもそれに合わせて変更していますね。私たちはデザイナーではないので、デザインしたものが最終形ではありません。作りながら、少しずつ形を変えて、使いやすいものをつくっています」

カトラリーは、食事をするために必ず口に触れるもの。そのカトラリーの素材ひとつで、食材の味やイメージも変わってくるだろう。特に小さいこどもは、自然素材に対する感覚が鋭いのではないかと甲斐氏は言う。

 

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「小さい頃からうちのスプーンを使っていて、お子様がもうそのスプーン以外を使わないというお話を頂いたこともあります。長年使って傷んできたので、他の素材のものに変えたところ、嫌がって使おうとしなかったそうです。それでまたうちに買いにきてくれたというお客さんがいました。とても嬉しかったですね。小さい子は大人よりも自然素材に対する感覚が鋭いんじゃないかな」

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いくらデザインがカッコ良くても、使い勝手が良くなければダメー

甲斐のぶお工房には小さいサイズのカトラリーも多く、お子様用に使用しているファンも多い。自然素材の口当たりの良さはもちろん、使いやすさを追求して改良を重ねるその姿勢が、デザインや使い心地に表現されている。

「試作を作っているときが一番楽しいですね(笑)試作を作って、皆で使いながら意見を出して改良を重ねていきます。いくらデザインがカッコ良くても、使い勝手が良くなければダメなんです。生活の道具なので、シンプルな形でも、使いやすいというのが一番だと思います。そうでなければ毎日使ってもらえないですし、使ってもらえなければ意味がありませんから(笑)」

 

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甲斐のぶお工房の商品に、用途に合わせたスプーンの種類が多くあるのは、食べるものによって器のかたちや口に入れる角度・速度が異なるからだろう。使うことを一番に考えられたカトラリーたちは、口に触れる先端部分の厚みも均一ではなく、口に当たる部分によって微妙に調整がされている。

毎日使うものだからこそ、やさしい口当たりと自然素材の温もりを。甲斐のぶお工房のカトラリーは日々の暮しに取り入れたいプロダクトだ。

 

甲斐 暢夫/Nobuo Kai

甲斐のぶお工房/代表

大分県湯布院の地にて、大分県産の孟宗竹(モウソウチク)や、島根県で採れたミズメ材など、国産材を使用したカトラリーの製造を行っています。使いやすく、使うことが楽しくなるようなカトラリーを生み出しています。

甲斐のぶお工房/ショップ匙屋
〒879-5101
大分県由布市湯布院町塚原4-84
営業時間:10:00 ~18:00(毎月第3水曜日 定休)

ホームページ
http://www.kainobuokoubou.com/

 

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